始まりが五十音順の連続小説「た」

前回 始まりが五十音順の連続小説「そ」

 立っていたのは、何度か会った事のある彼女の母親だった。背が高く、女性にしてはがっちりとした体格。学生時代は水泳でもしていたのだろうか。彼女の目力の強さは母親譲りかも知れない。大人になった彼女を見ているようで感慨深い。

 「お夕飯まで頂いて、ありがとうございました」
 「いえいえ、大したものを作れませんでしたが」

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 「明日、行きますから」
 「寂しくなりますね」
 「今までありがとうございました。裕貴君、今までありがとうね」
 「はい」
 「じゃあ」

 母親と一緒に頭を下げた彼女は、最後に涼しい笑顔を見せた。振り返った時に揺れた長い黒髪の残像が、僕の目にしっかりと焼き付く。じんわりと汗ばんで生温かかった右手の感触が、僕の左手をじりじりとさせている。少し湿った唇と、柔らかな胸の感触を残して、彼女は僕の前から去っていった。

次回 始まりが五十音順の連続小説「ち」

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投稿日:2021年10月25日 更新日:

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