第22話「想念によって支配される人生」

「桜井さん、まずは外見から変えてみませんか?」
「外見ですか?」

「はい、自分を愛せない理由として、容姿に対するコンプレックスがあると思うんです」
「ええ、そうですね。まさにコンプレックスの塊です。四十歳になってお腹もずいぶん大きくなりました。今までダイエットなんて考えてもみませんでしたが…」

「桜井さんの良い点は、人を見た目で判断しない所なんです。また、人の噂に惑わされず、自分で真偽を確かめようとする所ですね。
でも、世の中の人って見た目で判断しがちだし、噂を信じてしまう人が多いんですよ。残念な事なんですけどね。
だから、桜井さんはすごく損をしているんです。だいたいの人は第一印象で好き嫌いを決めているんですね。
桜井さんって、痩せたらすごく美人になると思うんですよ」
「え――? そんな事ないですよ」

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「いや、本当に。本当にそうなんです。あと、メガネをコンタクトにするとかですね。オリジナルの顔は本当に美人ですよ。ただ、年齢による劣化は仕方がないものなので、それは美容整形でカバーできますから」
「美容整形ですか?」

「はい。たるみやしわ、脂肪吸引なんかもやってくれます。せっかくお父様がお金を遺してくださったのですから、有効に使う方が絶対に良いですよ。
この自己中彼氏に恵んでやる必要はありません。もうすぐにでも別れるべきです。

そして、まずは外見からイメージチェンジしてみましょう。お化粧の仕方とか、洋服なんかも雰囲気が変われば絶対モテますよ」
「え――? 本当ですか?」

「……ちょっと待ってくださいね」

零美は奥の方でのぞき見しているはずの和彦の所へ行った。

「ねえ、和彦さん。ちょっと力を貸してくださらない?」
「えっ? 僕?」

「彼女って雰囲気が変わればモテると思わない?」
「う、うん。確かにそう思う。もっとナチュラルメイクでもイケるけどな」

「じゃあ、男性としての意見を言ってあげてよ。彼女に自信を持ってもらいたいの」
「ああ、そういう事ならいいよ」

零美は和彦を千夏に紹介した。

「桜井さん。私の夫、加賀美和彦です」
「加賀美和彦です。こんにちは」
「あっ、どうも。桜井千夏です」

「夫から男性としての意見を言ってもらおうと思いましてね」
「あっ、はい。男として、桜井さんの参考になればと思って言わせていただきます。
本当にもったいないと言うか、もう少しスリムになってメガネもコンタクトにしたら、すごい美人になりますよ。街ですれ違ったら、男はみんな振り返りますから。

あと、化粧も、ナチュラルで自然な感じが男は好きなんですよね。桜井さんだったらすっぴんでも全然大丈夫ですよ」
「あはっ、ありがとうございます。そう言ってもらえると自信がつきます」

和彦は、来た時に比べて彼女の表情が随分変わったと感じていた。

「結婚相談所とかに登録してみてはいかがですか?そういう所に登録する男性は真剣に結婚を考えていますし、真面目な方が多いと思います。
真面目である程度の収入がある人は、桜井さんにお金がある事を期待しないでしょうから、お金目的で近づくような変な男性に捕まる事はないと思うんです」
「そうですねえ、今までは、見た目のコンプレックスから婚活パーティーなんかに参加する事も考えられなかったんですけど、美容整形して見た目が変われば積極的になれるような気がします」

「そうです。自分を価値視するって大事な事だと思います。今までは、『私なんてどうせ見た目があれだから、お金目当てで近づかれても仕方ない』と自分を卑下ひげされてきたと思うんですが、もっと自信を持っていいんです。妥協する必要がないんですよね。

もっと良い男が私にはふさわしいと思ってもらっても構わないと思うんです。どんなイメージを持つかで、自分の環境って変わってくると思うんですよ。マイナスなイメージを持つと、不幸になる環境を準備してしまうと言うか…。

私はね、私の所に相談に来る人は、絶対に幸せにしてあげたいんですよ。だって、数ある占い師の中で、私を選んでくれたんですよ。嬉しいじゃないですか。そういう人は、絶対に幸せになってほしいんです。

人は想念によって人生が変わると思うんですね。どんな想いを持つかで、その人の道が決められて行くのではないかと…。苦しいイメージを持っていると不幸に向かう道が出来るとすれば、楽しいイメージを持っていれば幸福に向かう道が出来ていく気がするんです。
間違いなく、桜井さんは来た時に比べて変わっています。オーラというか、受ける波動が温かみを感じられます。

どうですか? 自分自身で変わった感じがしませんか?」

彼女は、自信たっぷりに話しかける零美の気迫に押されていた。

「た、確かに、先生のおっしゃる通りだと思います。なんか今まで、もったいない生き方をしてきたなあって思いました」
「いい男性に出会ったら、今度はその人との相性を鑑定させてくださいね」

「はい、その時はどうぞよろしくお願いいたします」

すっかり意識が変わった彼女の、帰り際の後ろ姿を見送った和彦には、背筋をピンと伸ばしているせいか、少しばかり彼女の背が伸びたように見えた。
和彦は、今度来る時の彼女の変貌ぶりが楽しみで、一人でにやけていた。

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