「海辺の少女」について、少し書きたいと思います。
これを書こうと思ったのは、谷山浩子さんの「カントリーガール」と言う歌からでした。
この曲に出てくる「僕」は誰なんだろうと、ずーっと昔から疑問でした。
語り部は「僕」なのですが、「あいつ」が「君」に送った手紙の言葉は「僕」が書いたと言っています。
つまり、ラブレターを書いたのは「あいつ」ではなく「僕」なんだと。
「僕」は、初めからずっと「君」の傍にいて「君」を見ていたんだと言うわけです。
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「僕」は「あいつ」に頼まれてラブレターの代筆をしたのでしょうが、じゃあ、この「僕」は一体誰?
そんな疑問が頭から離れなくて、この曲を聞く度に考えを巡らせていたのです。
いつも傍にいた、と言っているので、幼馴染みなのかなと思ったり。
でも、真っ赤な口紅を拭きとったのも見ていたと言うので、自宅に一緒に居ると考えると、兄か弟なのかなとか。
それはもう禁断の世界になってしまうので、やはり幼馴染みなのだろうと思ったり……。
「僕」はずっと「君」が好きなんだけど、片想いを伝えられないのかなあと思って、物語を書きたいとなったわけです。
「カントリーガール」を和訳すると「草原の少女」ですが、それはあまりに直接的なので、「海辺の少女」にしました。
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