ワイン色の恋 ショウタ&ミサキver.

 「おはよーございます」
 「ミサキちゃん、おはよ〜。今日さ、俺たちと一緒にボジョレー飲みに行かない?」
 「ごめんなさい。今日は予定があるんです。また誘ってくださいね♪」

 吉田先輩、ごめんなさい。今日はボジョレー解禁日♪ 新しく出来た駅前のワイン店でショウタくんと待ち合わせ。早く仕事終わらせて遅れないようにしなくちゃ。まだ、朝始まったばっかりなんだけど。

 人事異動か。うちの部署にも本社のベテランが来る。やった、これで早く上がれる。カナさんにも報告しておこう。

 「先輩、聞いてくださぁい。今日、ショウタくんとボジョレー買いに行くんです♪」

 良かったねと言ってくれたカナさんの顔は嬉しそう。

 「そう言えば、本社からのベテランってどんな人なんでしょう。お陰でやっと、残業から解放されますね」

 最近はずっと帰りは終電。先輩、大丈夫かな? 早く終わらせてお手伝いしよう。

 課長が、本社から来たたかなし部長を紹介している。前にもこの部署に在籍していたようで、会社内の事は熟知しているらしい。

 「そう言えば、カナくんはどこ行った?」
 「資料室に行くって、言ってました」

 それにしても、カナさん遅い。もうすぐお昼休みなのに。心配になって資料室に行ってみた。すると、たかなし部長の腕の中でカナさんがグッタリとしている。

 「カナ、もう大丈夫だ」

 え? 今、カナって……。

 「カナ先輩! 大丈夫ですかっ!」
 「君はたしか、ミサキ君だったね。そこの資料持って、俺と一緒に医務室まで来てくれ」

 医務室のベッドに横たわるカナさん。残業続きで、きっと疲れがたまっていたんですね。あたし、何にもお手伝い出来なくてごめんなさい。手もこんなに冷たくなってる。もっと早く気づいてあげられたらと思うと涙が溢れてくる。

 しばらくして、カナさんの意識が戻り一安心。前に教えてもらった企画書を作っておこう。少しは楽になる。やっぱりまだ体調が良くないらしい。先輩は早退した。

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 終業10分前、ショウタくんからLINEがきた。

 「ミサキちゃん、どう? 終われそうかな?」
 「うん♪ 大丈夫。ショウタくんは?」
 「今、会社出たところだから、ゆっくりでいいよ」

 この日のために新調したニットのセットアップにベージュのショートブーツ。ショウタはシンプルで可愛らしいのが好きかもと、カナさんからのアドバイス。お店に着くと、彼はもう来ている。

 「ショウタくん、お待たせ♪ ズル〜い! もう買ってるし〜」
 「あ〜、コレは違うんだ。白ワイン好きの人へお土産」
 「そっか。やさしいよね、ショウタくん。赤ワイン飲めない人はボジョレー興味ないもんね」

 このお店にはバーカウンターもあって、新酒はもちろんかなりの年代物のワインもグラスで飲める。だからお気に入り。もちろん今年のボジョレーヌーヴォーを頂こう。軽くグラスを合わせて、ひと口飲んでみる。

 「ん〜、美味しい♪ 今年のはすごく飲みやすくて、フルーティな味!」
 「たしかに! 赤ワインがニガテな人でも飲めそうだね。だけどボクは、もう少し渋みのある方が好きだな」

 そう言って優しく微笑むカレの横顔を見つめながら思う。あたし、ショウタくんが好き! 付き合いたいけど、カノジョいるのかな。カナさん応援してくれるから、がんばろう!

 「そう言えばカナ先輩、【赤】より甘めの【白】が好きなんだよね」
 「そ、そうなんだ」
 「マスターのお店ではいつも、あたしが赤で先輩が白なの。女二人だとどうしても、恋話で盛り上がっちゃうんだけど、あたしばっかりしゃべってるんだよ(笑)」
 「楽しそうでイイね」
 「あのね……今日、カナ先輩、地下の資料室で倒れちゃって。早退したからちょっと心配なんだよね。きっと残業続きで、疲れが溜まってたのかも」
 「えっ!」
「ショ、ショウタくん?」
 「ご、ごめん……びっくりさせて。外まわりしてたから、知らなくて。それは心配だね、大丈夫かな……」
 「本社からベテランの部長が来たから、しばらく残業ないし大丈夫。前に、うちの部署の課長してたみたい。カナさん、たぶん知ってるんじゃないかな」
 「……ミサキちゃん。明日も仕事だし、そろそろ帰ろうか。送っていくね」

 もう少し一緒にいたいけど、ショウタくんも忙しそうだから仕方ない。

 「うん、ありがと。ねぇ、ショウタくん。また二人で赤ワイン飲みたいな。大丈夫?」
 「もちろん付き合うよ。じゃあ、また明日ね」

 今日は✴︎ボジョレーヌーヴォー解禁日✴︎っていう口実があったから一緒に飲めたけど、次はどうしようかな……。X‘mas!ロマンチックでステキだけど……。彼女いたらムリだよね。

 まずはカレのこと、いろいろ知らなくちゃ。好きな人を思いながら過ごす毎日、なんてステキなの! 神さま、ショウタくんに出逢わせてくれてありがとうございます♪

 どうかこの恋が、叶いますように……。

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