第二話「除霊ボランティア」

私は中学のころから、《霊界は存在するのか》など、目に見えないものに関心を持っていた。霊が視えるとか、死者と話すという人の話を聞くのが好きだった。

私は本業の傍ら、ある教室をやっているのだが、その生徒さんにはいろんな方が来られる。もちろん普通の方も多いのだが、《相性》というか《類は友を呼ぶ》というか、変わった方が来られる。

今から十年以上前、ある四十代後半の女性が来られた。その方は「高野山で修業した」と言っていた。高野山といえば、和歌山県にある《弘法大師・空海》が開いた場所ということぐらいしかわからない。

仏教には全く詳しくないのだが、私の名前は変わっているので、昔はよく「お寺の子?」と聞かれていた。でも実家は会社員だった。

若いころはなんとなく『永平寺で修業してみたいなあ』なんて思ったこともあったが、とても厳しいという話を聞いて断念した。
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彼女は霊能力があるそうで、その力のほどは計り知れなかったが、人助けがしたいと言っていた。本業は別に持っているのだが、ボランティアで御祓いをして回っているとのことだった。

霊能力があると聞いただけで、羨ましいなあ……と憧れてしまった。本当に霊は存在するのか? 霊界はあるのか、ないのか? という次元を行ったり来たりしている私にとって、霊と闘って除霊するなんて、ヒーローのように思えた。

一週間に一回のペースで教室に来られていたのだが、どうしても霊能力の話を聞きたくなってしまう。テレビ番組などではよく見たりしていたのだが、実際の現場に立ち会ったことがないので興味津々なのだ。

彼女が言うには、一軒一軒回りながら『この家は感じる』というお宅に声をかけ、ボランティアで御祓いをさせてもらうんだとか。

私がイメージしていた御祓いは、その家や人に憑いている霊を そこから追い出すことだと思っていたのだが、彼女が言うには「自分の体に取り込む」のだそう。
えっ? 取り込む?……飲み込む?

私にはイメージがしにくかったのだが、それ以上詳しくは教えてくれなかった。疑問が湧いたので「取り込んだあとはどうなるの?」と聞いたのだが、よく理解はできなかった。

簡単な霊はそんなに大変でもないそうなのだが、強い霊はけっこう大変なんだそうだ

彼女はちょっと太めの体型だった。腕も太く、鍛えている感じだった。そう考えると、除霊って格闘技なのかな? と勝手にイメージした。

何回か週一ペースで通ってこられたのだが、あるとき、ずいぶん来られなくなってしまった。本業の仕事が忙しいのかなと思って、あまり気にはしていなかった。

七ヶ月くらいたったある日、久しぶりに彼女が来られた。「お仕事、忙しかったんですか?」と聞くと、入院していたそうだ。

聞けば、除霊に行った先の家で、かなり強力な霊と格闘し、自分の体に取り込んだは良いものの、その結果、半年以上入院することになったそうだ。

「え―っ?」とびっくりした。

まったくのボランティアなのに、入院することになるなんて……。霊能者は早死にする人が多いと聞いたことがあるが、命がけなんだなあと思った。

そして、あらためて尊敬するようになった。その後、彼女からの連絡はなくなった。今も元気なのか、それとも体を壊してしまったのかはわからない。

せめて、生きていてほしいなあと願っている。

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