「カッコ良く生きない勇気を持つ」と言う事

私は、子どものころから計画を立てるのが好きでした。
朝は何時に起きて、朝食を食べ、学校に行って、帰ってきてからテレビを見て、夕食後は宿題をして何時には就寝、という感じに。

定期テストや夏休みのときも、まずはスケジュールを決める。
そんな性格なので、人生の計画も考えるのが好きでした。

しかし、思い通りにならないものだと気づき始めます。
特に難しいのが恋愛。

相手がいることなので、いくら自分が結婚したいと思っても、そう簡単にはいきません。
永遠の愛を誓ったのに、いつしか相手の心が離れていく……。

2度も同じようなことがあると、さすがに「結婚に向いてないのかな」と思ってしまいます。
特に2回目の失敗のときは、どうしてダメだったのか理解できず、2年近く引きずりました。

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その頃はさすがに生きる希望が見いだせず、「誰か刺してくれないかな」と布団にもぐって引きこもっていました。
そんな真っ暗闇にいた私を救い出してくれたのが、私の占いの師匠・龍青三先生でした。

そこで初めて自分自身を知り、「私では彼女を幸せに出来ない」と悟ったのです。
そして、もう一人私に勇気を与えてくれたのが、浪速のジョーこと辰吉丈一郎さんでした。

彼は3度世界王座に返り咲きますが、網膜剥離によって事実上の引退に追い込まれます。
彼自身、引退を発表するのですが、「どうしてもボクシングをやりたい」と引退を撤回します。

理由は「ボクシングが好きだから」
私は辰吉さんのカッコイイ生き方に憧れていました。

王座陥落しても何度も挑戦し、3度目の世界王座に。
男の中の男だと思っていました。

そんな彼が、一度宣言した引退を撤回したのです。
私は「えっ!?」と思いました。

武士に二言はない、男が一度言ったことには責任を持つ、それが男だと私は思っていました。
だから、男の中の男である辰吉さんが、未練がましいところに違和感を感じたのです。

でも、会見の様子を見ながら、「惨めに見えるけど、カッコイイなあ」と思いました。
スマートではないけれど、泥臭いけれど、カッコイイ……。

そのとき、泥臭くてもいい、カッコ悪くてもいいから、あきらめないで生きてみようと決心しました。
「惨めに生きるなら死んだ方がまし」と思っていましたが、「惨めでも、もがきながら生きる方がカッコイイ」と思うようになりました。

人生は、思い通りにいかないものですね。
だけど、思い通りにいかないからこそ良いのかも知れません。
今では、妻と2人の子どもたちと幸せに暮らしています。

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ボクサー・辰吉丈一郎さん

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