この作品は、切ない恋愛短編集「深夜の電話」の続編を大河内ミュウさんが書いたものです。
電話を切った後、早苗はベッドに横たわり胸の前で手を組んだ。
「お願い!神様。雄介が無事に帰ってきますように、どうかお守りください。」
幼い頃から、早苗は寝る前によくお願い事をしていた。
「おいしいイチゴのケーキが食べられますように。」
お願い事をして眠った時は、不思議と3日以内には叶っていた。
しかし、大人になった今、最愛の人を守ってほしいと言う最大の願い事は叶うのか。
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押しつぶされそうな不安の中、雄介の声が蘇る。
「大丈夫!雄介は必ず生きて帰ってくる!」
何度も繰り返し呟いて、自分を勇気づけた。
翌朝、少しだけ開けておいた窓の隙間から、初夏の爽やかな風が流れ込んできた。
カーテンを開くと、雨上がりの庭に真白なクチナシの花が風に揺れ甘い香りを放っている。
花言葉は[喜びを運ぶ]
「神様、願いを叶えてくれてありがとうございます。」
早苗は微笑みながら雄介とつながる遠い空を眺めた。
早苗、いってくる。また後でな。 雄介
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