【仲間田由紀恵(なかまだゆきえ)のミッドナイトジャポネーズ】
こんばんは、仲間田由紀恵です。今晩も、私と一緒に素敵な時間を過ごしてまいりましょう。
今日はここに来る途中で、可愛い猫ちゃんと目が合いました。茶色い毛並みのその子は、私に気がつくと歩くのをやめ、立ち止まってじっと見つめてきました。
私がしゃがんで右手を差し出し、「ニャ~オン」と声をかけると、一瞬逃げようとしましたが、顔だけこっちに向けていました。「か~わいい!」と思った私は、しばらくにらめっこしましたが、時間がなかったので後ろ髪を引かれながらここに来ました。
今日も、皆さんからのお葉書を紹介したいと思います。えーっと、北海道にお住いの方ですね。ペンネームは「私は定時じゃ帰れません」さんです。定時じゃ帰れないって事は、サービス残業しているのかしら?
「由紀恵姉さん、こんばんは!」
「はいはい、由紀恵姉さんです。あなたはもしかして、生き別れの妹だったかしら?」
「私は、あるメーカーで営業をしている二十四歳の女です」
「へー、営業ですか。営業ってどんな事するのかしらね? 私なんか絶対、営業は出来ないと思う。なかなか人の顔を覚えられないの」
「実は私、由紀恵姉さんに似ていると言われています」
「あら、そう? じゃあ、モテモテで困るわね?」
「最近、二人の男性から同時に告白されました」
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「えっ? 同時に? それってあの、ちょっと待ったーって走ってくるやつ?」
「二人とも同期の男の子で、一人は、イケメンだけどいろいろとルーズで、借金がありそう。浮気もしそう。もう一人は、イケメンじゃないけど、真面目でしっかり貯金してそう。たぶん、浮気もしないんじゃないかな。由紀恵姉さんだったらどっちが良いと思いますか?」
「なるほどね。イケメンだけどルーズな男と、イケメンじゃないけど真面目な男。どっちが良いのかって事よね。うーん、悩むなあ。イケメンで真面目なら問題なしなんだけどなあ。やっぱりね、男は浮気するものなのよ。特にイケメンは浮気すると思ってた方が良いわね。それでも良いからイケメンと結婚したいという人もいるでしょうが、私はやめた方が良いと思う。もし結婚して子どもが生まれてから浮気となると、離婚という事になっちゃうかも。子どもを抱えてシングルマザーになるのは大変だもんね。というわけで、由紀恵姉さんのお勧めは、イケメンじゃないけど真面目でしっかり貯金してそうな男の子が良いと思います。男は顔じゃないわ、経済力よ。そこのところ、忘れないでね」
そんな「私は定時じゃ帰れません」さんのリクエスト曲で、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌、平井堅さんの「瞳をとじて」を聴きながらお別れしたいと思います。それではまた、来週のこの時間にお会いしましょう。仲間田由紀恵でした。
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