「もしもし。さみしいってLINEが来たから、電話したよ。どうしたの?」
「だって、最近ぜんぜん会ってないよ」
「そっかー。ごめん。ちょっと忙しくてね」
「いつも何時に帰るの?」
「うーん、平日はいつも、9時過ぎに帰るかなあ」
「休みの日は?」
「休んでいられないんだ。今が一番大事な時だからね」
「そうなんだ。じゃあ、仕方ないね」
「良かったらさ、ビデオ通話にしない?」
「ビデオ通話? もう化粧落としちゃったから」
「化粧していないと恥ずかしい?」
「うん……。好きな人には綺麗な顔を見せたいの」
「君は化粧なんかしなくても、充分綺麗だよ」
「え? ほんと?」
「うん。そのままの君の顔を見ながら、話したいな」
「そっか。いいよ」
「じゃあ、切り替えるよ」
「うん……」
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「ほら、やっぱり綺麗だ」
「えー? 久しぶりに会うから、お化粧したかったな」
「ごめん。どうしても会いたかったんだ」
「うん。謝らなくてもいいよ。私も会いたかった」
「さみしい思いをさせてごめん」
「謝らないで。私がわがままだから。もっと強くならなくちゃ」
「強くならなくていいよ。そのままの君が好きなんだ」
「えー? ほんと? 私、甘えちゃうよ」
「うん。もっと甘えていいよ」
「ありがとう」
「近いうちに時間作って会うからさ。それまで待ってて」
「うん。楽しみに待ってる」
「じゃあ、もう遅いから寝よう。おやすみ。大好きだよ。ちゅ」
「はーい、おやすみなさい。私も大好き。ちゅ」
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